先日、このようなツイートをしました。
僕が思う一番コスパの良い資格は「簿記」です。 多くの経営者は(良し悪しは別として)常に決算書(P/L,B/S)を意識した活動をしています。 簿記を理解している人は、決算書にどのように表示されるかを意識して仕事に臨めるようになるのでその点が強みになりますよ。
https://twitter.com/Kenji_san_desu/status/1366631248060313601
今回は簿記の意味と簿記資格取得のメリットについて解説をしたいと思います。
僕自身、零細会社の経営者でありますが、日商簿記2級を持っており、ビジネスにかなり役立っていると感じています。
簿記に関する情報、資格を取得したことによって得られるベネフィットについて解説します。
「簿記」とは??
「簿記」とは、「帳簿記入」の略だと言われています。
「帳簿」とは企業の取引の記録を付けるノートのことです。
以前は紙にペンで書き込むことによって記録を付けていましたが、現代ではコンピュータ上で記録を付ける方法が主流です。
弥生会計とか勘定奉行とかfreeeとかマネーフォワードとかありますが、それらは昔紙とペンでやってた記帳をコンピュータ上で行えるようにしたものです。
「簿記」って何のためにあるの?
なぜ簿記を行う必要があるのか?
それは会社などにおいて取引の記録を継続的に行い、その年度にいくら儲けたのか、いくら損したのか、保有する現金は増えたのか、減ったのか等、事業活動の結果の検証を行うのに役立てるためです。
簡単な例で言うと、80万円で仕入れてきた商品を100万円で販売すると、20万円の利益が残りますよね。
そこから水道光熱費、家賃、給与等の運営のための費用(仮に15万円とする)を支払って、残るのが「営業利益」(5万円)です。
簿記はこれらの事業活動を、一定のルールに則ってノート(現代はPCが主流)に記録するための技法のことです。
経営者はこれらの結果として残る数字を常にウォッチし、経営判断を行います。
簿記検定試験とは
簿記検定試験は実は複数あるのですが一般的なのが「日商簿記」です。
日本商工会議所が主催する検定試験制度です。
日商簿記は、「簿記初級」「原価計算初級」「3級」「2級」「1級」とあります。
この検定試験は、上述の技法とその基礎となる知識を用いて解く問題が出題され、合格ライン(基本7割)をクリアしたら合格となる検定試験です。
試験には電卓の使用が認められている点がユニークだと思います。
ちなみに「1級」はだけは相対評価(上位○○%まで)が適用されていると噂があり注意が必要です。
一般的に1級が飛び抜けて難しいとされています。
この検定試験に合格していれば、世間的に「簿記」に関する知識を会得している、と見なされます。
簿記検定試験は有用なのか?
簿記検定の取得が、就職や昇進に有利に働くのは言うまでもありません。
前述の通り、経営者が欲しがる情報を理解できますし、また決算書から経営成績を分析することもできるようになります。
また簿記を会得すれば、経済新聞の記事の理解も深まります。
僕自信も自社の幹部候補には簿記を学習するように薦めています。
実際、リクルートキャリア社の調査によれば、
企業が応募者に求める資格ランキングにおいて、
1位:日商簿記2級
7位:日商簿記1級
が入っています。
加えて、日経新聞社と日経キャリアマガジンが20代から40代のビジネスパーソンに「今後取得したい資格」について行った調査結果でも
第6位:日商簿記2級
第7位:日商簿記3級
がノミネートされています。企業側、働く側、双方から注目されている資格と言えるでしょう。
参考:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/usage/rankings
経理職以外では役に立たないんじゃないの?
そんなことはありません。
例えば営業職の場合であっても、自社の商品を得意先に販売する際には、先方の簿記ではどうなるか、という視点を持つと営業力や提案の幅がアップすると思います。
具体的に言うと、得意先はあなたから商品を買うと、一般的に簿記上、仕入か、費用に分類されます。
ですが、一定額以上で、長期的に企業の利益獲得に資するものであったら資産として計上されて、毎年減価償却されてゆくものになる可能性があります。
社用車の営業マンさんとかはまさのこのパターンだと思います。
また支払い方法が前払なのか、後払いなのか、どうしたら自社に有利となる取引となるのか、等、間違いなく視野が広がります。
ですので、経理職以外の方でも学習するメリットは十分すぎるほどにあります!
さいごに
日商簿記受験を検討されている方に朗報です!
日商簿記検定ですがコロナの影響か、3,2級はオンラインで受験可能となったようです。
自宅から受けられるなんて便利ですよね。
会場は独特の緊張感があるので、個人的に家で受験出来る今の環境がすごい羨ましいです!
就職、社内での昇進等、狙っている方は検討してみてはどうでしょうか。
簿記3級程度なら独学でも突破できそうですが、2級くらいになると辛いと思います。
数年前に試験範囲の改定があり2級が難しくなりました。簿記の受験予備校に関する記事も書いているので、こちらも読んでみてください。